私の20代のころの話、は決して作り話ではない、とことわって・・・・しばらく、書きつずけることをためらったけれど、もう時効のこどだし、周りを傷つけることも無いと思うので書くことにした。
京都の呉服屋は三島家(平岡家)が緑ヶ丘にあり、私宅は大岡山だったので、平岡家から私宅へ寄っていた。 その呉服屋さんが私のお見合い写真と釣り書きとを平岡家にお届けして、お母上が文箱におさめていらっしゃる、とのことだった。
吉田健一様の奥様は面白半分に(その頃’鉢の木会’という大岡昇平さんとか若手の方々8人が毎月会合を持たれていた)、笑いながらおっしゃったのは「お嬢様の事(私の事)三島さんにお話したら、照れてソファーから落ちたのよ!」と。
平岡家は私達の住んでいた大岡山から少し坂を下りてまた上がって広い道に出て緑ヶ丘へ行く途中にあり、私たちは緑ヶ丘に古くからのお知り合いがあったので、時々平岡家の前を通り、通りがかりに見るとはなしに、平岡家のお縁側に座って日向ぼっこをしていらっしゃるお母上のお姿を見た。 とても細くて色白のきれいな方だった。
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