例年秋のお彼岸近くに夫の甥が多磨霊園にある伊藤家の墓地に連れて行ってくれる。 今年は彼がその頃アメリカの息子のところに行くことになったので、少し早目の彼岸の墓参となった。
以前、私が車を運転していた頃は夫やその妹を乗せて行っていたものだったけれど、帰ってくると疲れてベッドに雪崩れ込んでしばらく横になっていた。 それかといって電車で行くのには可也遠い。 毎年気にしながら、甥の好意に甘えている。 今日も10時半ごろ何時ものベンツで迎にきてくれた。
霊園に着いて、墓所まで何時も歩く道を迷ってしまうので門前のお茶屋さん、米内屋さんで道順を書いた地図を頂いた。 その地図には色々有名人の墓所が書いてあり暇があったら歩いてお参りしてみたいと思った。 入り口近くには私が学生時代よく読んでいた横光利一さん、その少し奥には私達とほぼ同年齢で台湾で飛行機事故でなくなった大好きな向田邦子さんのもの、有島武郎さん、三島由紀夫さん、岡本一平、かの子、太郎さん、伊藤家の墓所の近くには岸田国士さんのお墓・・・という風に文壇人のお墓が多くあった。
それでも毎年訪れる度にお墓が新しく変わり、そのために道を迷ってしまう。 今日はまた物凄い暑さで、お線香をつけながら汗がしたたり落ちた。 果たして何歳になるまでここへ御参りにこれるかしら?と独り言を言ったら、甥が何歳になっても来れるよ、と優しい言葉を掛けてくれた。
途中、何時ものように甲州街道沿いの神戸やで昼食を取りながら、しばらく昔話をし、甥は私に世話になったことを思い出しながら、彼がアメリカに留学していたとき、夫がニューヨーク博のためニューヨークに滞在していて、甥がホテルに夫を訪ねたとき、夫はその前夜と言うか朝まで小澤征爾さんとホテルのバーで話していて、彼が訪れた時ノックをしても、中中ドアーをあけてくれなかった・・・などと話してくれた。 だんだん思い出が遠くなる。
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